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サイト『七月の樹懶』の話と、更新履歴を主に。
2018年創作総括。
「創作」をテーマに書いた記事をアップしようぜ! というTwitter企画がありましたので、創作活動を中心に、今年の総括をしてみようと思います。
お前まだ年内にもう一回サイト更新あるだろ……そこで挨拶するだろ……? というツッコミは無しの方向で。

ここ数年そうなのですが、思い返せばイベント参加と原稿に明け暮れた一年でした。
中でも、昨年ノベル大賞に投稿して三次選考通過まで行った、『フォルティス・オディウム』の連載開始と、物理本発行が大きいです。
上巻初頒布の春コミティアでは、どれだけ売れるだろう、というか手に取ってくださる方いるの? と緊張が度を過ぎて、前日は二時間しか眠れず、同人剣豪睡眠不足をかまし、当日物凄いグロッキーで、お隣の青波零也さんにご迷惑をおかけしました。
それでも、ぼんやりした記憶の中、思っていたよりは本が旅立っていったので、ありがたい限りでした。
秋コミティアでは中巻発行。親世代の終わり方がアレだったのに、継続して買ってくださる方がいらして、ほっとしました。

順番は前後しますが、夏はやはりText-Revolutionsでしょう。
第7回開催日の7月16日が、ドンピシャで私の誕生日で、勝手に一人企画「『誕生日おめでとう』で100円引きフェア」を開催しておりました。結果、普段言われないくらいの人数の方に「お誕生日おめでとう」を言わせもとい、言っていただきました。
テキレボ7では、去年の新春頃に発案して、水面下で計画を進行させていた、通称闇鍋、合同誌『お姫様と騎士の薔薇庭園』を発行出来ました。
「同じコンセプトで、違う人間が話を書いたらどうなるか、を見たい」
と酒の席で酒を飲んでいない私が発した無茶振りについてきてくださった、青波さん(編集作業も一手に引き受けてくださいました)、卯月慧さん、柏木むし子さん、紙箱みどさん、ほたさん、ありがとうございました。根底ルールがあるし、六人いたら、少しくらいかぶるんじゃないか? と思っていたのですが、皆さんものの見事に己の特徴を前面に押し出した、まさに色とりどりの薔薇が咲きました。
いやほんとびっくりして、一周回って笑ってしまいました。ありがとうございます。
こちらの本は、まだ在庫があるので、ご興味のある方は是非。来年個々での他誌他メディア公開を解禁しますが、全員の物語がいっぺんに読めるのは、合同誌のみとなりますので。

オフラインに注力して、最近失速気味だな、と思うのが、Web掲載の方です。特に『フォルティス・オディウム』は、物理本発行を先行しているので、Web連載は週一になっています。
子世代エクリュ編が50話以上あるので、単純計算しても、来年3月のテキレボ8での下巻発行より先に、Web公開が終わる事はありません。番外編もあるので、Webでの連載期間は、2020年あたま頃まで続くかと思われます。
……と言いつつ、なろうコンとか、カクヨムコンにひっそりこっそり参加しております。選考通りたいな〜という気持ちは全く無いとは言わないものの、血反吐吐いても絶対に勝つ、という気概まではありませんが、これを機に、たつみ作品に触れてくださる方が増えたら御の字だなあと思っております。
ので、応援やご感想は、ありがたく頂戴しております。ありがとうございます。
とはいえ、出来るだけ興味無さそうにしていますが、オフで私とそういう話をした方はご存知の通り、本当はなんだかんだでブクマ数やPV数をめちゃくちゃ気にしているかまってちゃんです!(言った!)

コンテストの話が出たので、水面下の話も少しぶっちゃけます。
2012年から、私は所謂『投稿クラスタ』になっています。毎年一作どこかに投げては、落ち続けています。
去年の『フォルティス・オディウム』が(長編賞では)初めての奇跡で、今年の投稿作はまあーいつものごとく一次落ちでしたし、選評も「せやな!!!!!」と納得するしか無い評価をいただきました。
でも、その時に出せる全力を尽くした事には間違い無いですし、下読みして背中を押してくださった皆様に感謝の念は絶えないので、納得するしか無いのは素直に受け止めて、少々加筆修正して、物理本として世に解き放とうと思っています。これについては後述で。

今年創作したもの、というと、なんだかんだで数は少なくて、有料頒布したのは、『フォルティス・オディウム』上中巻と、『お姫様と騎士の薔薇庭園』、FE覚醒再録本『With you』くらいでしょうか。あとは、無配本やペーパー、テキレボアンソロ用の掌編をちまちまと。
来年用の短編や、まだ言えないソレとか、短い話も書いております。それに加えて、来年度のオレンジ文庫ノベル大賞に応募した長編一作ですか。
あ、みどさん主宰の、ωさん原作、デドイバルシリーズアンソロジーにも寄稿させていただきました。人様の作品の二次創作楽しかったです! 原作者チェックで突っ込まれた時は、「やらかした〜!!」と頭を抱えましたが。(解釈違いが地雷な人間がじばくした)
今年新規に書き下ろし(てエンドマークを打っ)た作品の総字数は、全部合わせて多分10万字あるかないかくらいですが、正直なところ「何文字書いた」かよりは「何を書いたか」を誇るべきだと思っている宗派の人間ですので、自分では「まあ、妥当なところだよな」と思っております。
飽きっぽい性分で、歳を取るにつれて集中力も落ちてきているので、「完遂した」、それが何よりの自己肯定になっている部分があります。

今年の話はこれくらいにして、来年の創作の抱負を。
まずは投稿用の長編を一本書きます。今年出そうとして、コンセプトがダダかぶりの作品を見つけてしまい、それが今年の4月の事で、慌てて別の話を書き上げて提出したのですが、「読みたいです」のお言葉をいただけたので、来年は、宙ぶらりんになっているこの話を書き切ってみたいと思います。
イベント参加はほどほどに。とはいえ、コミティアとテキレボは、冬ティア以外はサークル参加をして、何かしら新刊を出せたらいいなと思います。
そう、新刊ですね。テキレボ8で『フォルティス・オディウム』下巻、9が秋にあったら番外編を予定しています。秋テキレボが無かったら秋ティアです。『フォルティス・オディウム』はそれでおしまいになります。(と言いつつ、その後も何か書いてるのは、前作『アルテアの魔女』で証明していますが)
それ以外に、春ティアで短編(短編再録本になるかもしれません。これはこの後3ヶ月の私次第です)、夏ティアで、リアル中2の頃から付き合ってきた物語の物理本化を目指しています。後者は既に表紙絵をキャラデザ込みでお願いしている状態ですが、前者は……描きます。表紙絵を。私が。
今までの人生の半分くらいまでは漫画を描いていた者として、クリスタも買い切りに向けて課金を始めましたし、もう少し自分で絵を描けるように、リハビリしたいです。クリスタの機能を全然使いこなせていませんが! 多分これ、もっとちゃんとノウハウサイト見たら、「私なんでこんなめんどくさい事してたの」って、宇宙猫顔になるやつですね、はい!

そして再来年に向けても少しずつ動いてゆきたいです。
前述の、今年度の投稿作を改稿して、2020年春に(ちゃんとイベントが開催されたら)出したいと思っています。こちらについては、「本にする時には表紙描きますよ!」と、ありがたいお声がけをいただいていますので、それに甘えるつもりです。
あとは……………プロジェクトXですね。
2016年の文フリで無配を出して、「2018年頃までお待ちください」と書いたのですが、なんか2018年がもう息も絶え絶えですね? 億が一にもお待ちくださっている奇特な方がいらしたら、平に申し訳ございません。
サイトを開設した時に連載開始して、7年かけて完結させた作品ですが、これを死ぬまでにもう一度リメイクして解き放ちたいので、2021年のサイト20周年までに、何とか公開を始める事ができたらいいなと、思っ……思って……います。
プロジェクトXに集中する為には、投稿を切るのが一番手っ取り早い事はわかっているのですが、
「投稿をやめたからって、そこで出来た時間で、お前は本当に書き進めるのか?」
と、もう一人の私が嘲笑っているので、今まで通り投稿をして、気が向いた時に気が向いたものを書いて、その中で、プロジェクトXも完成に持っていきたいと思います。

「思います」ばかりの総括になりましたが、こうして振り返ると、本当に私の人生は創作で出来ているなあ〜とつくづく感じます。
それで追い詰められて精神壊さない限りは、元気にリアル生活を送っていられるので、これは毎度言う事ですが、本当にもう書けない、何もかも枯渇した、と思うまでは、筆を折らずに、「私は! これが!! 好きです!!!!!」というなにかしらを書き続けていたいと思います。
あっあと、ポプルスさん使いたいですね!(突然)
印刷所は安定のちょこっとさん×サンライズさんのお世話になっていますが、生来の不器用なので、カバーは巻いてもらいたいですし、イベント当日に机の下に箱が届いているドキドキを長らく味わっていないので、そろそろできたらいいなと思います。

そんなこんなですが、今年もお付き合いくださった皆様、ありがとうございました。
来年もくりまんじゅうは相変わらずだと思いますが、なにとぞよろしくお願いいたします。
posted by たつみ | 20:20 | 雑記 | - | - |
300字SS『メイヴィスキッチン:夜のおやつ編』
 夜遅くに小腹が空き、薄暗く明かりが灯る食堂兼台所に降りてゆくと、亜麻色の髪の少年が、こちらの気配に気づいて、ゆるりと振り返り、
「お腹減ったの?」
 と、まるでこちらの思考を見透かすかのように、小さく笑う。
「明日のおやつにしようと思ってたんだけど、少しならいいよ」
 差し出されたのは、ゼリーの上に切り分けた桃を載せた一品。
「ピーチメルバ、もどきかな」
 渡されたスプーンで、柔らかい桃を切り、ゼリーをすくって、口に含む。たちまち、桃の甘さと、ゼリーの爽やかさと、ベリーのジャムの酸味が口内に広がる。
「美味しい」
 素直に感想を述べれば、
「君にそう言ってもらえて良かった」
 ほのかに火を灯すような、淡い照れ笑いが返った。


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第49回Twitter300字SS様参加作品。お題『灯す』。

今週から始まった、『フォルティス・オディウム』子世代の超番外編です。
主役二人の関係性を盛り込もうとしたら、お題の入る余地が無くて、無理矢理突っ込む形になりました。
本来のピーチメルバはアイスクリームが入るようなのですが、夜中に仕込みをするおやつにアイスは使えないだろ……という事で、アイスを使わないレシピを必死に探しました。
結果→「アイス無かったら桃のコンポート使ったゼリーじゃん?」
posted by たつみ | 21:00 | 小話 | - | - |
コミティアお疲れさまでした&サイト17周年です。
去る11/25(日)のコミティア126に参加された皆様、お疲れさまでした。
文フリと同日開催だったので、両方をはしごされた一般参加の方もいらしたようで、本当にお疲れさまです!
『七月の樹懶』は、いつも通り、ゆっくりまったり過ごしました。
とあるスペースに行ったら、目の前の女性が、子供の頃から尊敬している漫画家先生だとわかって、理性がブッ飛んだりもしましたが、おおむね平穏だったと思います。
スペースにお越しくださった方、差し入れをくださった方、本をお買い上げくださった方、ありがとうございます。アフターにお付き合いくださった、むし子さん、よらさん、ωさん、たまさんも、楽しい時間をありがとうございました。
アフターレポートっぽい事は書けないので、これにてご挨拶に代えさせていただきます。

そして、予定より一日早いですが、予告しておりました、『フォルティス・オディウム』エクリュ編のサイト連載を開始いたしました。
本当は、明日が丁度サイト17周年なので、明日始めたかったのですが、なんか私のゴーストが「今日やっちまえよ」と囁きました。
サイトを始めた時の思い出については、このブログでも多分11月のログを掘ると何回か出てくると思うので、もう詳しくは語りませんが、最初のおうちだったジオシティーズが、遂に終了するという事で、ちょっとしたエモい感慨を覚えるものであります。
自作を発表するにはホームページを持つのが最初の一歩だったあの日々は最早遠く、投稿サイトやpixivが当たり前になっていますが、自分の好きなように遊ぶページとして、自分が創作をこの世に放った証として、何にも書けなくなって「もうやりきった」と思うまでは、ネット上に『七月の樹懶』を持っていたいと思います。
17年間、色んな方々と出会い、縁が続きも別れもしてきました。恐らくこれからもそうだと思います。
サイトを始めたあの若き日より歳を取り、考えも偏屈になってきたのをひしひし感じますが、これからもお付き合いいただけたら幸いです。その恩は、「面白い」と思っていただける作品を書き続ける事でお返ししたいと思います。
今後とも、よろしくお願いいたします。
posted by たつみ | 20:22 | 更新履歴 | - | - |
300字SS『彼は彼方に』

 少しだけ、早起きをした朝。
 しっとりとした、白くけぶる屋外へ歩み出した時、思わず足を止めてしまった。
 霧の中でもわかる、紫の髪。同じ色の瞳が空を見上げ、ぼんやりと佇んでいる。
 その姿が今にもかき消えそうに思えて、慌てて名を呼べば、彼は弾かれたようにこちらを向き、柔らかく微笑んだ。
「どうしたんだ」
「貴方が、一人で消えそうだったから」
 胸に迫る不安を口にすれば、紫の眉尻が困ったように垂れる。
「俺はどこへも行かないよ。君を置き去りになんて、しない」
 彼の言葉の力に嘘は感じられなくて、「そうね」と曖昧に微笑み返す。
 
 その時はまだ、彼が本当に消えるなんて思ってもいなかった。
 白の霧ではなく、赤の炎の向こうへ、なんて。

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第48回Twitter300字SS様参加作品。お題『霧』。
またこうやって不穏を振り撒く!! とツッ込まれそうですが、
 
……………まだ子世代でこんなロマンス浮かばなかったんですよ……………。
 
という訳で、親世代主人公二人の、まだ何も知らなかった頃の、一幕でした。

 

posted by たつみ | 21:04 | 小話 | - | - |
サイトプチ改装しました。
サイトを改装しました。
と言っても、色彩や体裁が変わらないので、どこが変わったんじゃ、というかんじですが、具体的に言うと、タブレットやスマホで見た時に、サイトがそのまま小さく表示されるのではなく、画面に合わせて表示範囲が変わるように……レスポンシブって言うのでしょうか、それです。

もう何年も前から考えていたのですが、なかなかふんぎりつかず、ずるずる来ていました。
が、FO中巻入稿を終えてフリーダムな気持ちになった途端、なんだか急にやる気が出て、
「とりあえず表の体裁だけでも!」
と、テンプレートを借りてきて、ウリャーーーと突貫工事しました。

まだリンクや表示がおかしいところがあるかもしれません。実際、リンクページがタブレットやスマホで思い通りに表示されなくて、少しいじってみたのですが解決しておりません。これはおいおいなんとか打開策を見つけたいところです。お見苦しくてすみません。
そして、肝心要の小説ページがまだ対応しておりません。

だって何百ページあるんだってば!!!??

という嘆きは置いといて、こちらも順次テンプレート対応させていきたいと思いますので、「サイトじゃ読みづらいわ!!」という方は、なろうやカクヨムをご利用くださると幸いです。

……って、あ。
一番重要な事を言い忘れていました。
独自ドメインというのを取り、SSLに対応しました。ブラウザで見ていると、「保護されていない通信」と表示されるのが気になりまして。

https://tatsumi-sloth.club/

が新アドレスになります。
これまでの発行物は直せませんが、今後の発行物では、このURLを記載してゆこうと思いますので、よろしくお願いいたします。

 
posted by たつみ | 20:54 | 更新履歴 | - | - |
300字SS『アルテアの魔女、黒の死神にチョコを贈る』

「イシャナでは、好きな相手にチョコレートを送る日だそうですね」

 そう言ってあいつが渡してきたのは、小箱に入ったトリュフチョコレート。少し不揃いなのは、こいつの手作りだからだろう。

 一粒つまんで、口に放り込む。たちまち、ほのかな苦味と、強すぎない甘味が口内に広がった。

「美味い」

 素直に感想を述べれば、表情がぱっと輝き、花の蕾がほころぶように笑みが広がる。

「おい、そんな顔するな。食っちまうぞ」

 その言葉の意味は理解しなかったらしく、若草色の瞳がきょとんとまたたいた。

 ……だから、そういう顔をするなと。

 

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第47回Twitter300字SS様参加作品。お題『食べる』。

思いっきり季節外れですが、もしかしたらアルテア世界のバレンタインは2月ではないかもしれないので、お題優先で突っ込みました。

物理本の最終巻を発行してから、今月で丁度一年ですが、足かけ5年みっちり付き合ってきただけあって、エレ達は今も描きやすいです。

posted by たつみ | 21:07 | 小話 | - | - |
サイト更新・2018/09/27。

+『フォルティス・オディウム』シズナ編10章4、エピローグを更新しました。


……という訳で、年始から連載してきたFO親世代編が、投稿サイトより少し早く、完結いたしました。
物理本では5月に既に結果が出ているとはいえ、Webのみでご覧くださっている方もいらっしゃると思うので、この結末には、「ハ!!!??」となる事と思います。実際私もこれ、自分が読者で、ここで一旦切られて続きはもう少し後ね! って言われたら、全く同じ反応をします。
かなりきついと思いますが、自分ではラストシーンまでわかっているので、「しばらくお待ちください」と申すしか無いのが現状です。
あと、方々からさんざん「クソ行政」と呼ばれたクソ行政には、しっかり因果応報をしましたので、「ゲスは滅びよ!」という自分の信念は曲げていないと思います。多分!(多分)

とにかく「失われてゆく物語」の親世代でしたが、子世代は「取り戻す為の物語」の通り、希望へ向かって皆で全力疾走の後大ジャンプをする話になります。はずです。
シズナとアルダの娘エクリュと、親世代で生き残ったあのあたり、そして子世代の新たな仲間達の戦いは、11月28日、サイト17周年に開始予定です。
墜ちたら後は上がってゆくだけ……までに波乱万丈がありますが、光の中で綺麗な花を見出す為に、エクリュ達が頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

posted by たつみ | 21:46 | 更新履歴 | - | - |
300字SS『あなたの生まれたこの季節に』

「焼きました」

「何を?」

「ケーキを。でも」

 薄い唇を屈辱に歪ませて、彼女は、蚊の鳴くような声で告げた。

「失敗しました」

 恐らく、この季節らしく栗と芋を使ったのだろうパウンドケーキ……を目指したらしき物体は、元が何だったのかわからないくらいに真っ黒な塊となっている。

「ごめん。素直に母さんに作ってもらえば良かったわ」

 そう言ってしょんぼりする頭をぽんぽんと軽く叩き、黒い物体を手にして、かじりつく。正直、炭の味しかしないが、幼い彼女が自分の為に作ってくれた、それだけで愛しさが募る。

「練習だと思えばいいんだよ。次を楽しみにしてる」

 口の中をじゃりじゃり言わせつつ笑いかければ、彼女の表情が、ぱっと明るく輝いた。

 

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第46回Twitter300字SS様参加作品。お題『秋』。

『フォルティス・オディウム』番外編、主役二人が、まだ何も知らずに幸せだった頃の話です。

posted by たつみ | 21:00 | 小話 | - | - |
300字SS『帰る場所など』

「おかえり」

 子供の頃、遊んだ後に家路を辿ると、そう言ってくれた両親は、流行り病で逝きました。

「おかえりなさい、姉さん」

 たまの休暇で顔を見せると、そう出迎えてくれた妹は、行方知れずになりました。

 

 そして、今。

 旅路を共にしている勇者のあの人は、野営の夕方、わたしが夕飯の食材を得て戻ると、

「おかえりなさい」

 と、柔らかい笑顔を向けてくれます。

 

 彼女は知らない。

 わたしが、彼女にそんな事を言ってもらえる資格など無い事を。

 わたしが、この胸に秘める感情の刃を。

 何も知らないままの彼女に、「おかえり」と言って欲しいわたしと、彼女に全てを突き付けて、この信頼を塵に還したい衝動に駆られるわたしが、延々と戦っているのです。

 

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第45回Twitter300字SS様参加作品。お題『帰る』。

既にWebでも真相が公開されている範囲なので、そろそろ良いだろうと思い、主人公達以外の事も、描いてみました。 この話の主役と、「妹」については、本編終了後の番外編で、もう少しだけ、掘り下げたいと思っております。(なお番外編は白紙(プロット書き途中)です)

posted by たつみ | 21:16 | 小話 | - | - |
第7回Text-Revolutions アフターレポート

ご大層なタイトルをつけて始めましたが、何てことは無く、単に私がブログを動かしたかったのと、今回誕生日とモロかぶりだったので、残りの命数数えたらもう二度と無いだろうから、記念に文章として残しておこう、という意図で記した、テキレボレポです。

特に面白おかしく書ける訳ではありませんが、ほんともう、イベント直参当日に誕生日だったのが空前絶後なので、覚えている限りの事を、書き記します。

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posted by たつみ | 22:04 | 雑記 | - | - |