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サイト『七月の樹懶』の話と、更新履歴を主に。
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300字SS『神風吹かず』
『騎士として認められた以上は、祖国を守るための礎になる事も厭わない』
 叙勲式でそう胸を張っていた兄は、国境を守る戦で重傷を負い、熱にうかされた中、
『死にたくない』
 と三日三晩繰り返した末に、帰らぬ人となった。
『騎士になんてなりたくない。苦しい、痛い思いをして死ぬのは嫌だ』
 兄の無様な最期を見てそう繰り返していた俺は、明日、王都を守る戦いで、最後の砦の一員として敵を迎え討つ。
『貴君らは我が国の誇りだ。雄々しく戦い華々しく散る様は、後世まで語り継がれるであろう』
 国王はそう宣ったが、俺達は知っている。語り継ぐ者などいない。王都と共に全て燃え落ちる。
 それでも俺は行くしか無い。
 未来など無い、散るだけの戦いへ。

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第31回Twitter300字SS様参加作品。お題『散る』。

久しぶりに原作無しの一発ネタです。
「散る」といったらもう、これしか浮かびませんでした。
posted by たつみ | 21:44 | 小話 | - | - |