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サイト『七月の樹懶』の話と、更新履歴を主に。
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300字SS『メイヴィスキッチン:夜のおやつ編』
 夜遅くに小腹が空き、薄暗く明かりが灯る食堂兼台所に降りてゆくと、亜麻色の髪の少年が、こちらの気配に気づいて、ゆるりと振り返り、
「お腹減ったの?」
 と、まるでこちらの思考を見透かすかのように、小さく笑う。
「明日のおやつにしようと思ってたんだけど、少しならいいよ」
 差し出されたのは、ゼリーの上に切り分けた桃を載せた一品。
「ピーチメルバ、もどきかな」
 渡されたスプーンで、柔らかい桃を切り、ゼリーをすくって、口に含む。たちまち、桃の甘さと、ゼリーの爽やかさと、ベリーのジャムの酸味が口内に広がる。
「美味しい」
 素直に感想を述べれば、
「君にそう言ってもらえて良かった」
 ほのかに火を灯すような、淡い照れ笑いが返った。


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第49回Twitter300字SS様参加作品。お題『灯す』。

今週から始まった、『フォルティス・オディウム』子世代の超番外編です。
主役二人の関係性を盛り込もうとしたら、お題の入る余地が無くて、無理矢理突っ込む形になりました。
本来のピーチメルバはアイスクリームが入るようなのですが、夜中に仕込みをするおやつにアイスは使えないだろ……という事で、アイスを使わないレシピを必死に探しました。
結果→「アイス無かったら桃のコンポート使ったゼリーじゃん?」
posted by たつみ | 21:00 | 小話 | - | - |